トランプ関税への対処方法を考えてみた

~デミニミス・ルールとは~
こんにちは、KJです。
個人的に今もっとも気になっているのがトランプ関税です。
弊社がアメリカのAmazonでnu boardの販売を開始してから約8年。
いくつかのトラブルもありましたが(今も多少はありますが・・・)、近年は比較的安定した状態で運営できていました。
そんな中、なんとトランプさんが4月3日に世界各国に対して相互関税をかけると言い出し、日本には24%もの関税がかかってくる可能性が出てきました。
その後、90日間の猶予期間中は10%の関税のみとなりましたが、弊社が扱っている商品に関してはこれまで関税が0だったため、10%といえども販売を続けるにあたっては大きな影響があります。
値上げをするべきか・・・当初は悩みましたが、10%のコストアップともなると無視できない数字です。
何も手をうたないと利益が減少してしまうわけですから、商品価格を約10%値上げすることにしました。
ただ、やはり値上げをするとなると競合製品との兼ね合いもありますから売れゆきへの影響が心配です。
実際に値上げしてみると、一部の商品については影響がではじめました。
買い物好きとされる米国の消費者も価格には敏感なようです。
さて、どうするか・・・と考えていたとき、幸いなことに取引先から耳寄りな情報を得ることができました。
日本からアメリカへ輸出する商品については、申告額が800ドル未満は関税がかからないという制度(デミニミス・ルール)があるのですが、これが現在も適用されているという情報です。
いわゆる少額貨物というものです。
以前にどこかでこの制度に関する記事を読んだことがあったのですが、当社には関係ないと思いすっかり忘れていました。
なお、日本から輸出するにしても、中国や台湾製の商品はこの制度の対象とはならないようですが、当社の製品はまぎれもなく日本製ですので、当面はこの制度を利用する前提で対策を考えてみることにしました。
まずは、一度に発送する数量を従来のままにして10%の関税を払う場合と、発送数量を少なくして申告額を800ドル未満にした場合に発生する費用をシミュレーションをしてみました。
注意点としては、関税は申告価格(商品価格)だけでなく輸送費用や保険費用なども含んだ総額に課税されるとのことです。
※輸送に関して当社は航空便を使用しています。
結果、10%関税の場合は、1冊あたりの費用は関税がかかる前の約1.7~2倍程度・・・。
800ドル未満にした場合は、従来の半分の数量しか送ることができないため、関税0のときより1冊あたりのコストは上がってしまいますが、10%の関税を支払う場合より32~40%ほどコストを下げられることがわかりました。
※ちなみに関税が24%の場合の費用は、高いものだと従来の3倍以上になります。
800ドル未満にした場合のコストアップ程度なら、10%の商品価格の値上げで従来とほぼ変わらない利益率をキープできることがわかったため、とりあえずはこの方法で業務をすすめることにしました。
当社のように商品単価の低い商品を扱っているのであれば、この方法は使えると思います。
なお、このブログを書いている段階(5月30日)では日米交渉が続いていますし、米国裁判所がトランプ関税の一時差し止め命令を発令・・・、しかしその後に当面維持の判決がでるなどいろいろな動きがあり、今後どうなるのか予断を許しませんが、しばらくはこの方法でいこうと考えています。
以上、KJでした。
追記:
当社製品にかかる関税率はもとが0%なので10%になるはずですが、実際には5月上旬に発送したものは14%、5月中旬に送付したものは9.7%と、発送時期によって関税率が異なる結果となりました。また若干の仕様違いの商品で申告価格が同じものでも、関税が異なる場合もありました。なぜこのような違いがでるのかは、関税に計算方法や仕組みについての筆者の知識不足もあり不明です。