お客様:古代オリエント博物館 様
点字・触知図印刷をご採用いただいた、古代オリエント博物館様の作成事例を紹介します。
※点訳・点字校正・触知図の監修に関しては、専門機関との協力体制が整っており、連携して作成いたしました。
商材名:
①貸し出し用館内ガイド(点字・触図付き)
②触知シール(15種類)
①貸し出し用館内ガイド
仕様
材 料:OKエルコート薄口紙
仕 上 寸 法:A4正寸仕上げ 角R
印 刷:4c/4c+両面点字(インデックスにも点字印字)
製 本 加 工:外形抜き加工*帳合*3カ所Cリング製本(長手方向綴じ)
特徴
カラー印刷した紙面に、透明なUVニスを盛り上げて、点字のほか、線や図形を組み合わせて触知図を印刷している。カラー印刷を施しているため、状況に応じて晴眼者と視覚障害者の双方が使用できます。
活用目的
館内のバリアフリー対策の一つとして、ご導入されました。館蔵品展期間中、館内触知図と点字による見どころ解説をまとめたリーフレットを貸し出しています。


実際の来場者の方のご様子、反響など学芸員の方へ伺いました。
視覚に障害のある来館者の方々からは、「展示資料の解説を点字で読んだり、音声(Uni-Voice)で聴いたりできるのが嬉しい」と大変ご好評をいただいています。中には「普段は博物館へ行く習慣がないが、こうしたツールがあれば訪問のきっかけになる」という心強いお声も寄せられました。 一方で、解説をもっと増やしてほしいというご要望や、白杖を持ちながらガイドブックを扱う難しさといった課題も見えてきました。今回はリング綴じのブックレット形式で制作いただいたので、紐を通して首から下げられるよう工夫したり、内容の追加・編集を行ったりと、現場の状況に合わせて柔軟に改善していければと考えています。
『知られざるエピソード』
当初は館内のフロアマップのみを制作する予定でした。しかし、視覚に障害のある方々へのヒアリングやスタッフ間での検討を重ねるうちに、「場所を把握するだけでなく、展示品の解説や触図(形を触って知る図)がセットになってこそ、マップを活用する動機になるのではないか」という考えに至りました。 その際、最も悩んだのが「フロアマップ」と「各資料の解説ページ」をいかにスムーズに紐付けるか、という点です。試行錯誤していたところ、欧文印刷様からインデックス型のカレンダーをノベルティとしてご紹介いただきました。「これだ!」と思い、インデックス部分にマップと対応した番号を墨字・点字で記載する仕様を採用。結果として、今読んでいる資料がどのエリアにあるのかを直感的に把握でき、ページ間の行き来がしやすい一冊に仕上げることができました。
②触知シール(15種類)
材料:シロ塩ビタック
仕上:(台紙)80×88mm/(本体)50mmΦ
印刷:グラフィック+点字印刷
加工:表面 PP 貼+50Φ半抜き仕上
特徴
カラー印刷したシール面に、透明なUVニスを盛り上げて、点字のほか、線や図形を組み合わせて触知図を印刷している。また、カラー印刷があることによって、晴眼者も視覚障害者も楽しんで頂けます。
活用目的:
当館が所在する豊島区では、複数の文化施設をめぐるスタンプラリーなどの連携事業が盛んに行われています。「誰もが楽しめるミュージアム巡り」のあり方を模索する中で、視覚に障害のある方々にも「イベントに参加したい」と思っていただけるようなツールを開発したいと考え、今回の制作を依頼しました。 今後は、イベントのノベルティとしての活用はもちろん、ガイドブックを使った連携ワークショップの開催など、さらに活用の幅を広げていきたいと考えています。


弊社へのご相談の経緯をお聞かせください。
当館では視覚障害者対象のギャラリーツアーを定期開催していますが、参加者の方々から「手元で確認できるフロアマップが欲しい」というご要望をたびたび頂いていました。入り口に据え置き型の案内板はありますが、ツアーで複数の方が同時に来館される際、順番待ちが生じてしまうことが課題でした。
「持ち運びができること」の重要性を感じて制作を検討していたところ、東京都庭園美術館や貨幣博物館などで導入されている欧文印刷様の制作実績を拝見しました。パンフレット制作において確かな実績と知見をお持ちであると確信し、お問い合わせをさせていただいたのが始まりです。
弊社に依頼して良かったと感じたエピソードがあればお聞かせください?
特にフロアマップ制作において、プロならではの深い知見をいただけたことが印象に残っています。当館の展示室は、一つの大きなフロアを展示ケースなどで6つに区切って構成しています。そのため、当初私は、部分ごとに拡大した図面を作成できないかと相談していました。
墨字(視覚情報)であれば、該当エリアをカラー、それ以外をグレーにするなどして強調できますが、触図でそれをやると、かえって当事者には伝わりにくいということを詳しく解説いただきました。
「晴眼者の発想」だけで進めるのではなく、視覚障害者の方々からのヒアリングに基づいた「当事者にとってのわかりやすさ」を最優先に提案いただけたことは、我々にとっても大変大きな学びとなりました。
古代オリエント博物館: https://aom-tokyo.com/