ハワイの教育

もう40年近く前の話だが、当時、長男、次男が小学校1年生と2年生で、いわゆる特殊学級に入っていました。ある日、彼らの学級が何をしているのかを父兄に見せる場があったのです。そんなことでもないと学校などに行かなかったのですが、そこで見せられたものに驚いてしまいました。次男は1年生で、時勢を反映して(石油危機の真っ最中)テーマは「石油をどう有効に使うか」でした。そのテーマ設定にも驚きましたが、その課題に対して、壁一面に生徒達による方法論が書かれてあったのです。壁の広さはゆうに左右5メートル以上、天地3メートルはあったと思います。いわく、「カープール(車の相乗りでガソリンを節約する)の促進」、いわく、「燃費のいい小型車への乗り換え」、などなどです。

隣の部屋では、2年生の作品が並べられていました。なんだかよく分からなかったので、聞いてみると、その一つ一つがオリジナルのゲームだそうです。オリジナルとはまさに、そのゲームそのものを考えて作り上げさせた、ということだったのです。普通は、買ってきたゲームで遊んだものですが、小学校2年生にゲームを創作させたのです。これらを見せ付けられて、根本的な教育の考え方の違いに唖然とさせられました。このクラスはまだ今でもあるのかちょっと調べてみたら、あります、今でも。というかむしろもっと昔より洗練されているものになっていることでしょう。要は、詰め込み教育でなく、考えさせる教育、創作能力を高める教育、問題解決力をつけさせる教育。この頭を使わせる教育を6歳や7歳頃から当たり前のようなやっているアメリカ。これでは、日本とアメリカで発想の違いが出てきても全く不思議ではありません。ゆとり教育で大失敗して、英語を小学校1年生から教えるなど、母国語の重要性を無視した教育体系を作り勘違いをしている文部科学省。英語の勉強を当たり前にさせることによって、国際性を高めているという思い違いをしている文部科学省。もう手遅れかもしれません。

「知識より 知恵を高める 教育を」