縁は異なもの味なもの
この人は、私共の会社の求人に応募してくれました。名前を見たらちょっと懐かしさを覚えました。そして、その名前は珍しいと思ったので、この苗字の方はハワイに沢山いらっしゃるの、と尋ねたら、いえ、珍しいと思います、という返事。そうですか、私は〇〇さんという方を知っているんだけど、と言ったら、その人は、私の父です、というのです。要するに、旦那さんのお父上だと。それを聞いた途端、鳥肌が立ったのは忘れられません。何故かと言うと、私がその方にお会いしたのは、今から43年前に新婚旅行で宿泊したハワイの某ホテルにいた方だったからです。そもそもは、父がこの方を知っていて、悪いけど、ちょっと面倒を見てとお願いしたことから、彼と会うことになったわけです。とても良くしていただきました。その後、仕事で年に一回はハワイに来たときに、何故か縁があって、よくお会いしたものです。もちろん、私より先輩ですから、既にリタイアしていらっしゃいますが、この面接をする何年か前に、ランチを一緒にしたこともありました。そのときには、お嫁さんが応募してくるなんて、予想もしていなかったでしょう。
お嫁さんが面接に来た日には、もちろん、彼にメールを出しました。この奇縁に驚き、感謝したからです。その後、何人か面接しましたが、彼女以上の人は見つからず、当然採用とあいなりました。彼女の素養も手伝ってどんどん仕事を覚え、今ではなくてはならない存在になっています。また能力だけでなく、人柄も良く社内ではすぐに人気者になりました。表題の通り、縁は異なもの味なものです。43年前に知己を得た人の身内と、一緒に仕事をすることになるなんて、これを奇縁と言わずになんと言うのでしょうか。こんな楽しみをもうちょっと味わうためにも、もうしばらくは元気でいたいと思っています。
「縁に酔い 人生に酔う 幸せもん」