チップを考察する
給与は労働の対価として雇用者が払います。レストランのウェイター・ウェイトレスさんたちは、殆ど最低賃金に近い給与しかもらっていませんが、チップがそれに加わります。また聞きですが、チップの金額を正確に申告しているケースは少ないようです。確かに調べようがありませんから、馬鹿正直に申告してしっかり税金を取られるのはかなわない、と考えているのでしょう。十分察しがつきます。彼らにしてみれば、チップがあるからまともな収入になるのであって、給与だけだったら、とてもじゃないが暮らせないよ、ということでしょう。しかし、チップを受け取れないほかの殆どの仕事では、唯一、給与とあとはせいぜいコミッションぐらいです。コミッションだって、自分の努力の賜物、ということですから給与と同じです。ということは、レストラン、美容院、タクシーなどチップが当たり前になっているところは、“雇用者”がまともな給与を払わないから、“利用者”がその肩代わりをしている、というふうに言ってもいいのではないでしょうか。こう考えるのは私だけでしょうか。
ついでにもうちょっと言わせてもらいますと、最近、クレジットカード決済がスマホやアイパッドで出来るようになっていますが、いやらしいと思うのが、チップが最低15%で、次は18%、20%それにothersなんてあるのです。弁当を買って、自分で水を用意したり、弁当箱を席に持っていったりするのに、何故チップを払わせようとするのでしょう。先日、1ドルくらいは払おうか思い、どのようにアイパッドを操作したらいいのか迷っていたら、如何なされましたか、と聞かれたので、いやーチップを1ドルにしようと思っているのですが、どうすればいいのか分からなくてと言ったら、いいですよと言って、チップゼロで精算されました。なんか、けち臭いジジイだな、と思われるのにちょっと抵抗がありました。皆さんはこんな経験はありませんか。最近はチップゼロのお店が出始めているようですが、アメリカも早く、日本のようにチップを払わなくてもいいようになればいいのにな、と思う今日この頃です。
「チップ見て ヒソヒソ話す 店の人」