セレンディピティ

ウォーキングのコースに立派なマンゴーの木があります。大分大きくなってきたぞ。風でも吹けば、マンゴーが落ちるのだが、出来たらコンクリート道路の上ではなく、土の上に落ちて欲しいな、と祈りながらいつもその木の下を歩いています。いつだったかこれはというマンゴーを地面に二つほど見つけて、いそいそと自宅に戻る道を歩いていると、いつものウォーキング仲間と会ったのです。思わずこれ見つけたんだと言ったら、彼が“You have serendipity. You are a lucky guy.”と言われました。たまたま、このセレンディピティという言葉は、脳学者の茂木健一郎氏の著作を読んで知っていました。なるほど、マンゴーを見つけるのもセレンディピティがある、と思われるんだとこの言葉に身近な思いを持ったものです。ちなみにserendipityとは、「掘り出し物を偶然見つける才能、予期することなく大きな発見をすること」とあります。考えてみれば、それぞれが沢山のセレンディピティと出会ったにも関わらず、それを意識しなかったということもあったのではないでしょうか。持論ですが、私は自分がラッキーかアンラッキーかと問われたら二つ返事でラッキーな人間だと答えます。誰だって過去を振り返れば、あれはアンラッキーだったな、と思われる事件が一つや二つはあるはずですが、ラッキーな人間は、あんなきついことがあったからこそ、今のタフな自分がいるんだ、と思っています。なんでもポジティブに受け止めるおめでたい人間のほうが、明るい人生を送れるのではないでしょうか。四苦八苦の八苦の一つが、「会いたくない人と出会う苦しみ」だそうですが、感情的に会いたくなくても、会った結果、忍耐強い人間になれた、と思えるように自分を仕向ける。そういう人がそのネガティブな経験をポジティブなものとして受け入れ、そうすることによって「セレンディピティ」のあり難さをあらためて感じ取れるのではないでしょうか。

「あったんだ セレンディピティ 私にも」