「ハワイの人」その2

この方との出会いは、私が集金に行ったときです。そうです、集金なのです。担当では埒が明かないとわかり、私が出向いたのですが、なんと、その場で払っていただけました。要するに、担当がきちんと集金業務をしていなかった、ということだったのです。いい意味で拍子抜けを喰らったわけですが、こういう方ならあらためてビジネスをお願いしたいと思い、今度は営業に行くようになりました。そして何度も通ううちに、お互いに心が通うようになったのです。そして、契約をいただき全額前金でお支払いいただきました。集金での出会いと比較すると、別人とビジネスをしているようでした。新たな出会いが新たなビジネスにつながり、自ずとたびたびお会いするようになりました。そして話せば話すほど、新鮮な発見の連続で、私もどんどんのめり込んで行ったのです。人にはそれぞれ驚くようなエピソードがありながら、その人にしてみればそれが人様にとっていかほどのものだと思いこみ、口にはだしません。でも、往々にしてそれらのエピソードには驚かされるものです。それにしても、この方のエピソードはこと欠きません。しかし、話のいたるところに出てくる表現で心に沁みたのは、謙虚さです。そして、品のよさです。私も「武士は食わねど高楊枝」のほうですがそれは、その逆を想像し、欲の塊を見せられたときの気持ち悪さ、これは到底我慢がなりません。それだけに、この方の品のよさには打たれました。「欲しいなど露とも思っていない」、という姿勢が自然に見えてくるのです。

謙虚さの代表的な話は、「私は何も才能などなく、魅力もない人間ですが、そんな人間を皆さんが育ててくださったのです」、と本気でおっしゃっるのです。なんでもそうですが、本気で言っていること、やっていることくらい強いものはありません。会うたびに学ばせていただいております。

「見わたせば ここにも先生 あすこにも」