言葉と文字

 言葉は何のためにあるのかと問えば、私は「コミュニケーションのため」と答えます。そして文字は「記録するため」です。であるならば、その言葉は適切に使われ正確に表現されるべきです。同時に、言葉は文化の一部であることを認識して使って欲しいと思います。単なるコミュニケーションの手段、と割り切ってしまうと、日本語の持つ特性が台無しになってしまうと思うからです。敬語がその一つ。相手と自分との関係をきちんとわきまえた表現をするのは、「礼を重んじる」意識の表れであり、とても素晴らしいことです。また、音の響きの美しさがあります。この点は、もしかすると日本語に対するエコヒイキかも知れませんが。(美学は時として、絶対性を失うから、あまりこの点に関しては言及を避けたほうがいいかもしれない。)
また、文字にした時のその美しさ。漢字とひらがなの組み合わせ、それは特に書いた時に際立ってきます。日本語の文字が象形文字を起源とすることに感謝しています。前置きが長くなってしまいましたが、言葉に関心を持つ一人として一言。「もう少し正しく使いましょうや」。
先日、日本を代表する企業経営者のエッセイを読みましたが、そこにはご自分の奥様を称して「奥さん」と書かれてあるのです。最近の20代、30代、時として40代の人がこういう表現を使っているようですが、この経営者は60代半ばの方です。これは無いんじゃないですか。やはり、「家内」とか「妻」、あるいはちょっとくだけて「女房」とか言って欲しいですね。