研修旅行

 かれこれ20年ぐらいになるだろうか、アメリカに気になる印刷会社があり、何度か訪れその度に社長からお話を伺ってきた。規模も当社よりもはるかに大きく、また事業内容はとても真似ができないくらい素晴らしい。小生に取って最も尊敬すべき点は、その社長の人格と経営者としての考え方だ。というわけで、この会社からは大いに刺激を受けてきた。昨年夏ごろから、この会社こそ定点観測の対象だと考えるようになり、秋に訪問し今年もまた同時期に訪問してきた。
社長は既に引退されているので、近況を知りたければ販売担当の副社長と会って欲しいと言われ、シアトルに飛んで5時間休みなくいろいろな話をして、案の定定点観測の対象に相応しい会社だと再認識した。翌日は、敬愛するオーナーのいるアリゾナ州ツーソンの立派な自宅に泊めていただいて、通算10時間以上二人っきりで話をしてきた。
感想。企業は生き物だ、ということをあらためて実感した。それというのも、3年前に社長を外から迎えたのだが、新社長が猛烈な速さで新戦略を行使したため、マーケットのない中、大きな体制が空回りしてしまい、大変だった、というのだ。副社長と話した時にはそんな話は全く出なかったが、オーナーからはとんでもない真実を聞かされた、というわけだ。それにしても、一回りも若い小生に対して、実に真摯に事前に送っておいた質問リストに丁寧に答えてくれたばかりでなく、他人には言えない話もしてくださり、あらためて世代を超えた信頼関係を感じ、感謝と恐縮の念にかられた。
普段の社長業はいわば、アウトプットばかりだが、今回は久しぶりに期せずして多くのことを深く学ぶ研修旅行になった。それも二人のアメリカ人のお陰である。また、来年お邪魔して立派に立ち直った会社を見て、また、新たなインプットをして来たい、と思っている。