知らなければ聞けばいい

 先日、ある著名な文化人(個人情報保護の観点でこの方が想像できないように、あえてこのように表現します。)にお会いしていろいろなお話をさせていただいていた時の話。
私が、”これはブログを本にしたものです”と言った時、”ブログって何ですか”、と問われた。ちょっと戸惑ったが、失礼のないように説明した。その後、”これはウェブで”と言ったら、それも同様に質問された。今や、ブログにしてもウェブにしても専門用語ではない、と思っていたものだから少々驚いた。
しかし、翌日、何気なくその会話を思い出していた時、その方の凄さと偉さを思い知らされた。というのも、知らなければ素直に聞けばいいではないか、と考えておられる方なのだと合点したからだ。
そう言えば、社内でちょっとわかりにくい話をした時、理解してくれたかなと不安に思うので、”わかった?”、と聞くとうなずく。そこで、”どうわかったの?” と聞くと、その説明がしどろもどろなのだ。わからなかったなら聞けばいいのに、何故かしない。理解できていないことを知られるとまずい、とでも思っているのだろうか。
前記の著名な文化人は、知らないことがあっても何も恥ではない、自分の専門分野以外なのだから、と考えているからであろう。知識が多いことが褒められ、無いと馬鹿にされる。そんな不安を持つ前に、もっと本質を考える習慣や、本を読むこと、調べる習慣をつけたほうがはるかにマシだと思う。
自分のことを思い出すと、英会話が多少出来始めた頃、”I don’t know”が、なかなか言えなかった。本当は少し理解できるけど、 I don’t know と言うと殆ど理解できていない、と思われてしまうのではないか、俺は全然わからないわけではないのだ、とどこかで言いたいから I don’t know が言えなかったと反省している。質問の意味がわかっても、その質問に答えられない、知らないから、と毅然とした態度が取れるようになってから、堂々と I don’t know と言えるようになった。
知らないなら素直に質問をする、こうすることが説明者に対する礼儀だし、知っている振りをすることこそ失礼な話だと私は考える。