理屈抜き

 青年時代、私は父から「理屈が多い」、「屁理屈を言うな」とよく言われました。自分では、「理屈」ではなく、「理論」だと思っていましたが、そういう言い方をすること自体、「理屈が多い」と世間では言っているようです。
とまれ、その理屈好きが少々変わってきました。最近、「理屈抜きで嬉しいんだよね」、というような表現が多いのです。何が原因でこうなって来たのか、良くわかりませんが、確かに、大分前に、「頭の良さで、人を驚かすことは出来るが、感動させることは出来ない」、と書いたことがあります。これを書いた背景は、結局、人は理屈では動かない、ということを言いたかったのです。
例えば、「褒めよう」という話をする時に、心理学用語の「ストローク」などという言葉を持ち出して、うんちくを延べ、従って、褒めることにはこんなに意義がある、という言い方をしていました。今は、「なんたって褒められたら嬉しいよね、だから、褒めようよ。」、という言い方になったのです。
気持ちを伝える方法は、様々ですが、一番わかりやすいのは、頭脳を介さずに、心にダイレクトに響く言い方のようです。