新価値観作り

13年前に欧文印刷の「価値観」を作成し、全社員でその「価値観」を実践する努力をしてきました。しかしある時、あらためてこの「価値観」のキーワードをじっくり眺めたら、ある感慨を持ちました。それは、“卒業”です。当社の価値観は6つありますが、その全てが全社員で体現されているかというと残念ながらそうではありません。しかしながら、いくつもの項目で、これよりもう少し上を目指したいし、目指せるようになったのでは、と思えたのです。
そこで150名の正社員の中から40名を選出し、14組に分け1回1時間半の社長塾を3回実施して、新価値観作りをやろう、ということにしました。タイトルは「欧文印刷にとってふさわしい企業文化とは何か」、です。
事前に参加者に“ふさわしいと思われる文化は何か”をまとめてもらい、同じ組の仲間に配信し読んできてもらう、そして社長塾では質問からはじめ、それから議論をするという形式です。初回、2回目くらいまでは参加者も緊張のあまり自由闊達な意見交換には、なりにくかったのですが、そこは私の方で緊張感をほぐしつつ、テーマからそれないように議論を誘導し、たまには言葉の説明をする、と言ったことをしながら進めました。
しかしながら3回目の社長塾まで行っても、とてもまとめられるところに至りません。そこで、私が叩き台を作成し、それをベースにした議論をすれば、なんとか4回でまとまるだろうと考えました。まとめる段階で気が付いたのは、今までの議論は、「自分たちにとってのいい会社論」だったのです。しかし、お客様あっての欧文印刷ですから、お客様は私どもに何を期待して下さっているか、この視点を無視して身勝手なことを言っていても始まらない、ということに気が付いたのです。
そして、結構大変な思いをして、再構成したものを参加者に提示しました。気持ちの上では、“うまくまとめただろう。これで受け入れてくれるよね”、というものと、“社長がまとめたのだからしょうがない、と無抵抗に受け入れられても淋しい”、という両方の気持ちが錯綜していました。しかし、なんと1組目から異論が出たのです。それがまた、とても的を射た指摘だったのです。それを取り入れ修正して2組目へ。するとまたまた異論です。そんなことを繰り返してなんと4回も修正しました。
堂々と持論を繰り広げる社員がこれほどいたことに、あらためて驚くとともに嬉しくなりました。新価値観作りを通して、社員の成長をこれほど実感出来たのは,望外の喜びです。そして、この先10年は持つだろうと思われる新しい価値観が出来ました。まさに、もう一つの集合知です。
今回の経営独言は、「新価値観作り」と銘打った、単なる社員の自慢話でした。失礼しました。
平然と 社長相手に もの申す