応える、変える、創り出す。

明けましておめでとうございます。2010年も歴史に残るような激動の年でした、と言いながら、この「激動」は既に常態化してしまったと思われます。ということで、2011年も昨年同様、激動の年になると肝に銘じて立ち向かっていく所存です。
さて、時代の要求が如何に変化してきたか、ちょっと振り返って見ました。
バブル経済の崩壊(1991年)の直前までは、お客様から要求された納期、品質、それに価格が折り合えば、お仕事をいただけていました。まさにお客様の要望に“応えられれば”良かったのです。しかしその後、iPhone、iPadで世界を賑わせているアップルが、組版処理に強いパソコンをひっさげて印刷業界に参入、印刷物の伝統的な作り方を一変させました。マッキントッシュというパソコンとそれに搭載されたソフトを使いこなせることが、お仕事をいただける最低条件になったのです。
結果的に多くの印刷会社がこの“変化に対応”したため、それまでなくてはならなかった写真植字業界、版下作成業界、しばらくしてフィルム製版業界までが消えてしまいました。時代の変化に対応した印刷業界が上記の業界を抹殺した形になったのです。音楽の世界で言えば、レコードからCDになってレコード盤、プレーヤー、それにレコード針を製造する業界がなくなってしまったことと同じです。
私自身、40年前は一介の営業マンでしたが、当時必要とされた職務知識と今とでは、雲泥の差です。その知識の広さとその技術の深さ、これらをわかりやすくお客様に説明出来なくては、営業は勤まりません。製造現場の技術者にしても、要求される知識、作業レベルはとんでもなく高い。私どもを始め、一流のお客様とお取引できている印刷会社の技術レベルは、昔のように既存のソフトを決められた手順で処理出来れば良かった、という話ではなくなりました。すなわち、利用技術の巧拙だけでは大きな差異化にならなくなってきているのです。
それではこれからの時代を生き残り、勝ち残れるのは、どんな印刷会社でしょうか。それは、“自らが製品やサービスを、あるいはマーケットさえも創り出せるところ”しか成長の可能性がない、と私は考えています。その最大の理由はマーケットの縮小です。輸出や海外展開が出来る印刷会社は限られています。多くの会社は国内需要を取り込むことで経営が成り立っています。少子高齢化、デフレの継続、円高による価格競争力の低下により、頼みの綱の国内経済が限りなく弱体化してきています。
マーケットが縮小するということは、プレーヤーも同様に少なくていいのです。すなわちマーケットサイズとプレーヤーの数がバランスするまで、プレーヤーの淘汰は続くでしょう。その淘汰の中で生き残っていけるのは価値のあるプレーヤーです。「他社では出来ないことが出来る」、ということは最大の強みであるのは明白です。私たち欧文印刷は、一つだけでなく、いくつものオンリーワンを持てるようになろうとしています。そのようにして、価値をさらに高めるため、持てるエネルギーを飽くことなく注入し、オリジナリティのある製品やサービス、さらにはマーケットまで作り出せる印刷会社になって行きたいと考えています。
本年も宜しくお引き立ての程、お願い申し上げます。
“迷わずに 極みめざして 進み行く”