巡り合わせ

私が欧文印刷の社長に就任したのは、1991年6月でした。そしてバブル経済が崩壊したのはまさに1991年6月だったことを、半年後の日経新聞で知りました。ただ、本格的な不況風を浴び始めたのは翌年の10月からだったので、就任年度の決算は最高売上、最高利益を計上出来ました。しかし、それからです、嵐に巻き込まれたのは。あらゆる手当をしても、成果らしいものが見えてこないのです。状況は悪化するばかりでした。ただ、その時社長を交代しておいて良かった、と思いました。何故かと言うと、こんな状況を乗り越えるには、年齢的なことに併せて、健康を害していた父では持たないだろう、と思ったからです。こんな乱世だからこそ、自分のような人間が選ばれたんだ、と勝手に思いました。これも、巡り合わせなんだと。
そして今は、仕事と生活の拠点をハワイに移し、欧文印刷の子会社であるハワイ現地法人のウィンキュービック・ドットコムの社長として、ことしの3月に赴任しました。それから4ヶ月間、一月を半分づつという二重生活をして来ましたが、7月から本格的にハワイで仕事をしています。普通に考えると、3月11日の青天の霹靂からすれば、欧文印刷の経営に集中すべきかも知れません。しかし社長交代は既に2年ほど前から決めていたことでした。ただ、ウィンキュービックの現地責任者が突然、独立を言い出すとは想定外でした。後釜のことを考えても取りあえず、自分が行くしかないと考え、今に至っています。しかし、この件も冷静に考えてみると、まさに巡り合わせなのです。この時期、この状況で自分がウィンキュービックの社長になるのが最適だったと今、しみじみ思っているからです。さらに、この創業13年目の会社が今後どうして行くべきか、そのシナリオを書くに当たって、自分が書くに相応しいと心の底から思っているのです。このタイミングでの社長就任を巡り合わせと言わず、なんと言うのでしょうか。
人生は面白いです。ある時は自分の意志のままになり、ある時はどうやっても意のままにならないからです。しかし、これからも様々な想定外に見舞われるかも知れませんが、それも巡り合わせとして捉え、その状況に軽やかに対応していきたいと思っています。
”意のままに ならぬ時にも あきらめず”