印刷媒体の行方

iPodの普及によって、音楽はネットからダウンロードして聞くのが当たり前になってしまいました。同様にキンドルやiPadの出現によって、新聞や雑誌など情報が主体の出版物は印刷物から電子配信に変わろうとしています。
この変化の中で、スピードが命の情報系の印刷物は大幅に減少するでしょうが、他の印刷物も同様にお払い箱、というコトにはならないだろうと思います。そこで、我々印刷人がやるべきことは何でしょうか。私はインターネットや電子書籍端末がどうあがいても“印刷物に勝てないもの”を、生みだして行けばいい、と考えています。
一つには、今までには見たこともない表現、例えば、3D映画のような滑らかな奥行きを感じられる印刷物を作ることが考えられます。これは、ある親しくしている先進的技術を持った印刷会社が実現しています。また、音声データを埋め込んだ印刷物を作ることも可能で、私どもも既に手掛けました。
さらに視覚、聴覚以外に訴求する工夫も考えられます。触覚、嗅覚、味覚に訴求する印刷物、これはネットや電子書籍端末には到底出来ない芸当です。但し、このような印刷物を作る機械を今まで同様、印刷機械メーカーまかせではいけません。何故なら出来たら出来たで、その機械を買えばあれが出来るこれが出来るということになり、再び価格競争になってしまうからです。
今までの印刷人の発想は、顧客のニーズを満たすために最善を行なおう、というコトでした。すなわち顕在化しているニーズへの対処です。これなら誰でも考える事が出来ます。誰でも出来る事には興味がない私どもとしては、潜在ニーズは何かと考えます。それを見つけて実現し、“スピーディ”に掘り起こしていけるところが新たな成長方程式をつかんだと言えるのではないでしょうか。
私たちはその答えの一つを見つけました。あくまでも今は一つです。しかし、正解は一つしかない、ということは絶対にありませんので、二つ目、三つ目を探り出して行きたいと考えています。
“面白し 人に出来ぬコト実現す”