創業60年を迎えて -やってきた事、やって行く事

 バブル崩壊後に企業がとった行動は、デフレと戦うための縮小均衡と値引きだった。すなわち、経済環境が変化した結果、その変化についていくための止むを得ない行動だった。印刷業界においても生業を変えずに、我慢して縮小均衡を続けてきた企業と、潔く方向転換を図った企業と二通りあるようだ。しかし、後者は圧倒的少数。それもそのはず、当業界は言われたことをやるだけで、自らが需要を作りだすという体質は持ち合わせていないからである。
しかし、印刷物の位置づけ、業界内外の技術革新、インターネットのインフラ化など環境は著しく変化してきた。私どもの場合は、2000年1月にe-printer宣言をし、着々と自らの変化にいそしんできた。既存の生業を極端に減らさずに新しい生業を増やす作業は、正直言ってしんどい。過去10年近くやってきたことは、変化になんとか対応しようという行動だったが、今やっていることは、変化を作り出す作業だ。
変化を追いかけるよりも、自らが変化していくほうが精神的には遥かに楽だ。とはいえ、需要を見越して新たな製品やサービスを開発するのは、ちょっと勇気がいる。
12月18日の60周年を節目にして、新たに取り組んでいくことは、「過去に無い需要を作り出すこと」であり、変わらずやっていくことは、「お客様に喜んでいただくこと」と肝に銘じている。残念ながら創業者は8年前に亡くなってしまったが、創業者が植えつけた、“新し物好き精神”を守りながら、私どもも楽しめる仕事を作り続けて行きたい。