価値観の実践

 大分前の話になるが、先代から“理念では飯は食えない”、と一括されたことがある。その時どのように反論したか覚えていないが、今、同じことを言われたら、“確かに、理念を「実践」しなかったら飯は食えませんね”、と冷静に言える。
なにするにも、「志」は必要だ。しかし、単に思っているだけでは、何にもならない。志を持ったらそれを行動に結び付け、動き、成果を得る。ここで志を持った意味が出てくる。この価値観も経営計画の全社員説明会や、四半期毎の経営協議会において触れるくらいでは、とても浸透などおぼつかない、と思っていた。
さて「実践する価値観」というテーマでスタートした社長塾も、5月27日の時点で6組中4組が第一回を終了したので、感想をまとめてみた。まず、出席者への私の質問は、この6つの価値観の中で自分に取って一番なじめる価値観は何?というところからスタートする。次にその理由を聞くと、価値観の定義が違うのがわかってくる。理解が違うのはまずいので、どう違うかを説明する。そして、あらためて同じ質問をすると、違うことを言う人と変わらない人が出てくる。このやり取りを通して、この価値観が如何に普段身近なものではないというのが、手にとるようにわかる。これは、すなわち、「これではまずい」、ことの確認になる。
価値観というとどうしても、観念論的な匂いが漂ってしまうが、私は出席者に、「どうしたらもっと収益性の高い会社になるかを考えているから、価値観を取り上げているのだ、頑張った人が納得出来る会社、そんな会社を作りたいから価値観を取り上げているのだ」、と吼えまくっている。
間違いなく言えるのは、皆真剣だ、戸惑いながら、何故、社長はこの価値観にこんなにこだわるのかという表情から、徐々に、ここまで力が入っているのは、本当に本気なんだ、と伝わり始める。この変化がたまらない。ついつい熱がさらに入る。この議論は、仕事に対する姿勢であって、ミスをするな、効率よく働け、もっとなんとかしろ、という話は一切出てこない。
そりゃ当然の話で、そう言ったことは、仕事に対する取り組み意識(価値観)が行動に出ていれば、成果は自ずと大きくなってしまう、と信じているからである。出席者の自慢は、もう少し会を重ねてからにしよう。