「私の履歴書」ハワイ編 その9

「今行うべき仕事から、後でやってもいい仕事」、それと「それらの仕事の重要性」と、それぞれ二つの軸で物事を捉えてみると、「急ぎではないが重要な仕事」、これこそが、経営者の本来やるべき仕事だと思います。勿論、その会社の置かれた状況によって、もしかしたら、資金繰りに走り回らないといけない、という経営者もいるかと思いますが、それは、異常事態ですから、それに集中せざるを得ません。そうは言っても、多くの場合は、目の前のハエ追うことと、来年のための準備、あるいは数年後に対する考え方の整理などを複数のCPUを駆使しながらやっている、というのが中小企業経営者の実態かと思います。

しかしながら、ハエを追うことと、数年後の状況を描くことと本来はどちらが大切か、と問われれば、もちろん後者です。数年後の状況を描くことを別な言い方をすると、「会社をデザインする」と言えましょう。会社をデザインし続ける、デザインをして変化させ続ける、これが大事です。面白いけど、エネルギーを要する最高のクリエイティブ仕事だと思います。ファッション、グラフィック、エンジニアリング、インテリアなどの後にデザインがつくのは一般的ですが、「経営をデザインする」のが経営者の仕事だと思います。

世の中にある、ありとあらゆるものは、その変化が止まることを知りません。人間が存在する限り変化し続けます。その人間が、あるときは「これ」がいいと言い、時間がたつと
「あれ」がいいと言うのです。従って、会社は存続する限り変わり続け、変わり続けられないと存続できないのです。ある一時期は、「これ」で食べられたけど、その一時期が過ぎると、「あれ」で食べられるようにならないといけないと思うのです。本質的なことは勿論変わりません。それは、「求めるものを提供する」、ということです。出来たら潜在している需要を提供することです。何故なら、顕在化している需要への参入だと、余程の新規性がない限り、結局は値段を安くするしかないからです。まだ見えていない需要をいち早く捉え、形やサービスに展開出来れば、継続的な成長が出来るに決まっています。そんな概念的なことは百も承知だとおっしゃる輩は沢山いるかと思います。しかし、分かっていてもそれを具現化出来る方はそう多くはおりません。具現化出来る会社になることが、”ゴーイングコンサーン”(存続し続ける企業)になれる会社です。このテーマは普遍です。経営するからには、”ゴーイングコンサーン”にしなくてはならない、と思い続けてきました。そうなるべき企業文化を植え付け、その行動をとり続けられる、そういう会社にしていきたいと心から願い、日々の経営に励んでおります。

長いシリーズでしたが、これが最終回です。お付き合いいただきありがとうございました。

”終わりなき 成長願い 汗をかく”