アラビア語・DTP

当社では、欧州言語を中心にさまざまな言語へのローカライズを行っています。ここでは、特殊言語のDTP作業を中心にご紹介します。

アラビア語

中東から北アフリカのアラブ世界で広く使用されている言語で、他言語への翻訳が禁じられているコーランの言葉として、アラブ圏以外のイスラム世界でも広く親しまれています。

大別して文語(フスハー)と口語(アーンミーヤ)の2種類に分けられ、前者はイスラムの拡大に伴って広まった古典アラビア語です。現代でも言語としてほとんど変化しておらず、アラビア語圏の共通語・公用語として、公文書・演説・マスメディアなど、公の言語として使用されています。

後者は日常会話で使用されるもので、国・地域によって異なり、正字法がなく、当地で書き言葉とは別に習得する必要があります。

アラビア語の表記

右から左に書く、という大きな特徴があります。

また、草書や筆記体のように、文字を1文字ごとに切らずに続けて書きます(表記にアラビア文字を使用するペルシャ語やウルドゥー語等も同様です)。そのため、文字は語頭・語中・語尾・単独形で形が変わります(語頭・語中・単独形が同じ文字もあります)。

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アラビア語のDTP

上記のような独特な表記法から、DTP作業にはME(Middle East)版という特殊なバージョンを使用します。

MacintoshがDTP作業のスタンダードだった時代には、PageMaker MEを主に使用していましたが、現在では、WindowsのInDesign MEが中心になっています。

下記は、Windows版のInDesign CS4 MEで作成したサンプルです。

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ペルシャ語

古代ペルシャ帝国から現代に至るまで、イラン高原を中心に使用されてきた言語です。近世ペルシャ語は、当地のイスラム化が進んだ7世紀~10世紀頃に確立されたイランの公用語です。

アラビア語からの借用語が多く、アラビア文字を採用していますが、言語系統はインド・ヨーロッパ語族に分類され、セム・ハム語族に属するアラビア語とは異なります。そのため、文法に共通点はありません。

ペルシャ語の表記

基本的にアラビア文字で表記され、アラビア語同様に右から左に書きます。

見た目はアラビア語によく似ていますが、アラビア語にない幾つかの音の表記を含め、細かい差異がいくつかあります。数字もアラビア語とは微妙に違います。

基本書体は流麗な曲線が特徴的なナスタアリーク体で、写本や街中の看板に至るまで広く使われてきました。しかし、近年までデジタル書体の作成が困難であったため、印刷書体(DTPで使用)は、アラビア語とほぼ共通のものを使用するのが一般的です。

Digits

ペルシャ語のDTP

アラビア語と同様に、DTP作業にはME(Middle East)版を使用します。

ウルドゥー語

パキスタン、インド北部を中心に使用されている言語です。12~13世紀にかけてのイスラム教徒の侵攻にともない、デリー周辺の方言にペルシャ語・アラビア語の語彙を取り入れ徐々に形成されました。パキスタンの国語(公用語は英語)であり、インドの主要言語の一つです。言語系統はペルシャ語と同じインド・ヨーロッパ語族に分類されます。

ヒンディー語と非常に近く、文法はほぼ共通しています。どちらもサンスクリットを祖語としていますが、ウルドゥー語はペルシャ語・アラビア語からの借用語が多くあります。話者の多くはイスラム教徒です。

ウルドゥー語の表記

アラビア文字を基本に、ペルシャ文字とヒンディー語系の音を表す文字を加えた35文字で構成されます。アラビア語同様に右から左に書きます。

基本書体はペルシャ語と同じくナスタアリーク体ですが、活字化が長く困難だったため、新聞など印刷物は手書き文字を転写する形で同書体が採用されてきました。そのため、ウルドゥー語の表記は、印刷物であっても、事務的な用途以外ではナスタアリーク体が一般的です。

ウルドゥー語のDTP

アラビア語と同様に、DTP作業にはME(Middle East)版を使用します。